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石山 新太郎; Buchkremer, H. P.*; Stver, D.*
Materials Transactions, 43(9), p.2331 - 2336, 2002/09
被引用回数:5 パーセンタイル:39.97(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉用低放射化材として注目されているTiAl金属間化合物は、室温加工性に乏しいため、本研究では、Cr元素の添加量を変えた高純度TiAl金属間化合物粉末を高温等方加圧成形法(HIP)により固化したものの機械的特性を評価するとともに、1273K200MPaのHIP条件でHIP処理したTiAl+xCrの焼結材の微細組織の観察も行った。その結果、TiAlと分散Cr粒子間には反応相が形成され、HIP処理したTiAlの機械的強度特性を改善することができた。すなわち、TiAl+5CrにHIP処理を施すとにより高温強度を従来材及び金属粉末射出成形法によるTiAl材より1.2~1.5倍も強化することができた。同時に、この製法により延性も改善でき、その結果特に室温における機械加工性を向上させることに成功した。
吉井 文男
放射線化学, 2000(70), p.12 - 19, 2000/09
合成系及び天然系生分解性ポリマーの放射線改質について、原研で得られた成果を述べる。(1)照射したポリ(-カプロラクトン),(PCL)が種々の相状態で照射した結果、過冷却相が最も橋かけしやすく、橋かけ後は未照射よりも生分解性が速い。(2)合成系生分解性ポリマーの加工性が、30kGy程度の照射で分枝構造を導入することにより改善できた。フィルム成形や発泡体成形を可能にした。(3)セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC)が水を添加し良く練り、50~60%の高濃度のペースト状態で照射により橋かけした。これは高い吸水性をもったものである。
吉井 文男
コンバーテック, 28(3), p.5 - 9, 2000/03
ポリ(-カプロラクトン)(PCL)を主成分とする生分解性ポリマーの放射線橋かけによる耐熱性と加工性の向上及びアルギン酸ソーダの分解挙動について述べる。(1)ポリ(-カプロラクトン)が過冷却照射において高い橋かけを示し、100でも融解しない耐熱性を保持する。(2)生分解性ポリマーの加工性を向上させるため、室温で30kGyの照射を行うと、溶融粘度が増し、高速でフィルム成形ができ、発泡体成形も可能になる。(3)橋かけ構造を導入しても生分解性は変わらず、コンポスト化処理できる。(4)多糖類に放射線を照射すると分解が起こる。アルギン酸ソーダについて、固体と水溶液照射の分解挙動を比較し、低分子化したものはイネの生長促進に有効である。
吉井 文男; Darwis, D.*; Nugroho, P.*; 三友 宏志*
IAEA-SM-365, p.7 - 8, 2000/00
生分解性脂肪族ポリエルテルの放射線改質について、橋かけ技術により耐熱性と加工性を改善した。ポリカプロラクトン(PCL,融点: 60)を固定状、溶融状、過冷却状で照射した結果、過冷却照射が最も橋かけしやすかった。橋かけPCLは高温クリープ試験から、100に長時間耐えた。生分解性は、80%のゲル分率をもちながら、未照射PCLよりも分解しやすかった。加工性については、PCLにポリブチレンサクシネートをブレンドしたPHBO2を、10~30kGy、室温で照射し、分枝構造を導入することにより溶融粘度を改善した。これにより厚が7mの薄いフィルムが未照射試料の10倍の速度でブロー成形できるようになった。また、発砲成形も可能にした。
吉井 文男; 伊藤 正則*
パックピア, (569), p.34 - 39, 1999/12
生分解性ポリ(-カプロラクトン)の放射線照射による加工性の改善について、おもに応用を中心に研究成果を紹介した。概要は以下のとおりである。(1)30kGyの室温照射により分子量が2倍に増加した。(2)溶融粘度が著しく増加するため、インフレーション成形や発泡性成形が可能になった。(3)インフレーション成形では、従来のポリエチレンの成形機を使い、未照射ポリ(-カプロラクトン)の10倍の速度で成形できるようになった。その成形速度はポリエチレンの成形と同じである。(4)発泡体は、発泡倍率30のものが得られた。果物や電子機器の緩しょう材への応用開発を進めている。
吉井 文男
放射線と産業, (82), p.26 - 30, 1999/06
生分解性ポリマーであるポリカプロラクトン(PCL,融点60C)は耐熱性が低く、加工性に乏しいため、実用化がおくれている。これらを放射線により改善した。耐熱性はPCLを過冷却照射により向上した。加工性はPCLを室温で1530kGy照射を行うことにより溶融張力が増し、発泡体やフィルム成形が高速で行えるようになった。本稿では、これらの基礎的結果とそれらをもとに農業分野への応用の可能性を述べた。
Darwis, D.*; 西村 健二*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Journal of Applied Polymer Science, 74(7), p.1815 - 1820, 1999/00
被引用回数:13生分解性のポリカプロラクトン(PCL)をペレット状態で照射すると分枝構造が導入され、加工性が改善できた。分枝構造の生成は、10kGyの低線量照射により分子量が増大し、溶融粘度の上昇から明らかである。分枝構造は、PCL分子鎖の絡み合いを引き起し、融点以上の粘弾性や伸長粘度を著しく改善した。これが発泡に有効で30kGy照射したものは25倍もの蜂巣状の発泡体ができた。未照射PCLは伸長粘度が小さいため発泡体にはならない。発泡体は薄い皮膜から成っているため、発泡前のシートよりも酵素分解が起きやすかった。
竹内 正行; 大橋 和夫; 藤咲 和彦*; 石橋 祐三; 武田 誠一郎
PNC TN8410 98-060, 74 Pages, 1998/03
(目的)本件は、Tiより耐食性に優れ、かつTi-5Ta、Zr等よりも装置の製作コストが安価な材料を創製することを目的として実施した。(方法)機器材料開発室で行なった耐食性Ti系合金の試作結果に基づき、Tiの耐食性を向上させる元素としてNbを選定した。そしてNbの添加量を変化させたTi-Nb合金を4種類(Ti-3Nb,Ti-5Nb,Ti-10Nb,Ti-20Nb)試作した。試作した合金について機械的強度、熱間加工性、耐食性に関する評価を行なった。(結果)評価結果を以下に示す。(1)いずれのTi-Nb合金も、目標通りの組成に溶製できた。(2)TiにNbを添加することにより機械的強度は強化され、Nb量とともに強化の度合いは高くなる。なお、いずれの合金についても熱間加工性は良好であるといえる。(3)Ti-3NbおよびTi-5Nbの室温での曲げ加工性は良好であった。Ti-10Nbでは1枚は良好な結果であったが、1枚について部分的に肌荒れが観察された。なお、Ti-20Nbはまったく変形せずに破断した。(4)酸回収蒸発缶模擬液中において、Ti-Nb合金の腐食速度はNb添加量とともに低下し、いずれの合金についてもTiより優れた耐食性を示した。Ti-Nb合金の腐食形態は、いずれも全面腐食であった。(5)Ti-Nb合金の優れた耐食性は、表面に生成するTiO2皮膜に起因している。NbはNb2O5として材料表面に濃縮し、TiO2皮膜の保護性を向上させると考えられる。(結論)今回試作した4種類のTi-Nb合金のなかでは、Ti-10NbがTi-5Taより安価で、高い耐食性と良好な加工性を兼ね備えた合金であるといえる。より最適なNb量の決定に際しては、10wt%Nbを中心としてNb量をパラメータとしたTi-Nb合金を試作し、各種評価を実施する必要がある。また、機器材料としたときに要求される溶接性についての検討も必要である。
森永 正彦*; 斉藤 淳一*; 村田 純教*; 加納 茂機; 古井 光明*; 舘 義昭; 井上 聡*
PNC TY9623 95-001, 165 Pages, 1995/03
次世代原子力システムの構造材料には、高温強度特性に優れ、しかも比重が他の高融点金属よりも小さいNbおよびMoが有望視されている。最近の高温液体金属技術の進歩に伴い、これら超耐熱合金の開発は、原子力プラントの高性能化のために不可欠であると思われる。これまでの共同研究によって耐熱合金の設計とその特性評価を行い、暫定的第1次選定合金を選択した。本研究では、暫定的第1次選定合金の加工性、液体Li耐食性ならびに溶接性を明らかにし、原子力システムの要求特性を満たす合金系ならびに添加量の最適選定を行うことを目的とする。(1)加工性:暫定的第1次選定合金を含む種々の実験合金を用いて3点曲げ試験を行い、加工性の予測法を検討した。(2)液体Li耐食性:最長500時間の液体Li腐食試験を実施し、変化重量,腐食解析ならびに成分分析を行った。また純金属の試験も併せて行った。(3)溶接性:暫定的第1次選定合金のTIG溶接を初めて行い、溶接の可否を調査した。(1)加工性:Nb基合金の曲げ降伏応力および曲がり角度は、硬さを介してd軌道エネルギーレベル差(Md)によって予測できる。すなわちNb基合金の加工性に対する設計指針は、合金のデルタMdを0.05以下に設定することである。また、Mo基合金の加工性を良好に保つためには、Reの添加が有効であることを明らかにした。(2)液体Li耐食性:Nb基合金では長時間の腐食により深さ40ミューmの亀裂が観察された。Mo基合金はNb基合金に比べて優れた耐食性を示した。両合金の表面には試料カプセルからの元素移行による粒状晶出物が確認された。液体Li耐食性を向上させるためには、変化重量および1200度Cの液体Liに対する高融点金属の溶解度の観点から、酸化物生成自由エネルギーが大きい元素の添加が有効であることを見い出した。(3)溶接性:暫定的第1次合金は十分に溶接が可能であることを明らかにした。また、NbへのW添加は溶接性を向上させることを示した。対象合金中ではMo-15Re-0.5Zr合金が最も優れた溶接性を有することがわかった。得られた設計指針を用いて、トータルバランスに優れるMo基1次選定合金を以下のように決定した。・Mo基合金・・・・・・Mo-15Re-0.1Zr,Mo-15Re-0.5Zr Nb基合金については、液体Li腐食に伴う亀裂の発生の問題がある。今
森永 正彦*; 加納 茂機; 井上 聡*; 斎藤 淳一*; 舘 義昭; 湯沢 利勝*; 真鍋 勝也*
PNC TY9623 94-004, 87 Pages, 1994/03
【目的】液体Li冷却高速炉用の構造材料として、Nb基およびMo基合金を候補材料として選択し、その材料設計と特性評価を行い昨年度までに暫定的第1次選定合金を選択した。本研究では、これらの合金の硬さ、曲げ加工性ならびにLiに対する耐食性に関する実験を行い、暫定的第1次選定合金の特性評価を行うことを目的とする。【実験および評価方法】暫定的第1次選定合金と数多くの実験合金を用いて硬さ試験を行い、強度特性を評価した。また暫定的第1次選定合金の3点曲げ試験を行い、加工性を評価した。Nb基合金では暫定的第1次選定合金以外にも数種の合金を用いて同様の試験を行い、加工性に関する合金設計上の指針について検討した。暫定的第1次選定合金については、従来の液体Na腐食試験に代わり液体Li腐食試験を初めて実施し、腐食量の変化の測定、腐食表面の観察ならびに成分分析を行った。【結果および考察】(1)硬さ試験:Nb基合金の硬さは、d軌道エネルギーレベル差により精度良く予測できることを明らかにした。しかしながらMo基合金では、d軌道エネルギーレベル差による合金硬さの予測は適用できなかった。(2)3点曲げ試験:暫定的第1次選定Nb基合金は良い曲げ加工性を示した。これに対しMo基合金の曲げ加工性は著しく低く、改善の必要があることを示した。また、Nb基合金の曲げ加工性は、合金の硬さから十分予測できることを確認した。(3)液体Li腐食試験:Nb基およびMo基合金の暫定的第1次選定合金は、1200、100時間における腐食量は少なく、粒界腐食は全くみられない良好な腐食性を示した。しかしながら、Nb基合金では腐食増量、Mo基合金では腐食減量と異なる重量変化挙動を示した。また腐食表面には粒状物が生成されていたが同定には至らなかった。【結論】最適成分合金の選定にあたり、硬さ試験、3点曲げ試験ならびに液体Li腐食試験を実施した。しかしながら明瞭な設計指針が得られず、本年度末に予定されていた第1次選定には至らなかった。
辻 宏和; 清水 哲也*; 磯部 晋*; 中島 甫
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(2), p.122 - 129, 1994/02
被引用回数:3 パーセンタイル:35.77(Nuclear Science & Technology)将来の,原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取り組んできた。その第1段階では、Ni-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであることを見出した。この最適なNi-Cr-W組成比を有する合金の熱間加工性に及ぼすSi,Mn,Y,B,Ti等の微量添加の影響を系統的に調べるために、21種類のNi-18~19mass%Cr-20~22mass%W合金を供試材料として、グリーブル試験を行った。Si及びMnの添加は、熱間加工性には非常に有害であった。Yの添加は、熱間加工性の向上に非常に有効であった。B及びTiの添加も、熱間加工性の向上に有効であった。C含有量の増加、Nbの添加、Feの添加はいずれもほとんど利点は無かった。また、重回帰分析によるNi-Cr-W系超耐熱合金の熱間加工性の予測が可能であった。
森永 正彦*; 井上 聡*; 斉藤 淳一*; 一色 泰志*; 湯沢 利勝*; 加納 茂機; 舘 義昭
PNC TY9623 93-005, 134 Pages, 1993/03
本研究では液体リチウム冷却カリウムタービン高速炉用の構造材料として有望なニオブ基およびモリブデン基合金について、その材料設計ならびに特性評価を行うことを目的としている。本年度は、数種のニオブ基およびモリブデン基候補合金を溶製し、現在、試験可能な液体ナトリウム中での耐食性試験および加工性の評価のために三点曲げ試験を行うとともに、液体リチウム中での耐食性の文献調査を行った。そして、これらの結果を基に、液体リチウム用のニオブ基およびモリブデン基合金の設計を行い、それぞれの有望候補合金を選定した。昨年度の結果を基にして、設計合金として数種のNb-W-V-Zr系合金およびMo-Re-W-Zr系合金を選定した。その試料をトリアーク炉で溶製し、組織観察、923Kでの液体ナトリウム中浸漬試験および常温、大気中での三点曲げ試験を行った。これらの試験結果を基に、両合金系の特性を評価するとともに、それらの予測法について考察を加えた。液体ナトリウム中浸漬試験の結果より、ニオブ基設計合金の重量減少量は既存のニオブ基合金よりも少なく、耐食性のための合金元素の選択は妥当であることがわかった。また、ニオブ基合金に比べて、モリブデン基候補合金の重量変化量はたいへん小さく、どれも満足のいく結果であった。三点曲げ試験の結果、難加工性材であるといわれていた純モリブデンは曲がり角度が大きく、加工性は良好であった。一方、ニオブ基及びモリブデン設計合金は、既存合金に比べて加工性が低下していた。また、合金の降伏応力はピッカース硬さと相関があることがわかった。興味深いことには、ニオブ基合金では原子間の結合力の変化を示すパラメータである結合次数差が、材料の降伏応力と曲がり角度に関係していることがわかった。これより、結合次数差を用いてニオブ基合金の曲がり角度を予測することが可能となった。液体リチウム中の耐食性に関する文献を調査・検討した結果、液体リチウム中でのニオブおよびモリブデンの腐食を抑制するために有効な添加元素を見いだした。昨年度までの設計指針と、本研究で得られた設計指針を基に、液体リチウム用のニオブ基の暫定的一次選定材を以下のように設計した。ニオブ基合金 Nb-(1,3,5at%)W-1at%Zr モリブデン基合金 Mo-(7.5,15at%)Re-0.5at%Zr
辻 宏和; 中島 甫; 近藤 達男
Proc. of the Int. Conf. on Computer-assisted Materials Design and Process Simulation, p.398 - 403, 1993/00
原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温部構造用材料としてNi-Cr-W系超耐熱合金の開発を進めてきた。開発プログラムの第1段階では、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであるとの結論を得た。第2段階では、最適Ni-Cr-W組成比合金の熱間加工性、引張特性、時効特性、大気中クリープ破断特性及びHTGRヘリウム中耐食性に及ぼす微量添加元素の効果を系統的に調べ、得られた特性と成分元素量の間の関係に関する重回帰分析を行った。その結果、重回帰分析による特性予測が可能であることが分かり、重回帰分析結果に基づいて化学組成の最適化を図ることができた。
辻 宏和; 清水 哲也*; 磯部 晋*; 中島 甫
JAERI-M 91-116, 21 Pages, 1991/08
原研では、将来の原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取組んできた。その第一段階においては、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであることを見出した。この新合金を実用化するためには、工業規模で安定した品質での供給が行える必要がある。こうした観点から、熱間加工性は重要な指標の一つと考えられる。そこで、この最適なNi-Cr-W組成比を有する合金の熱間加工性に及ぼすMn,Si,B,Y,Ti等の微量添加の影響を系統的に調べ、以下の結果を得た。(1)Mn及びSiの添加は、熱間加工性という観点からは非常に有害であった。(2)B,Y,Tiの添加は、熱間加工性の向上に有効であった。とりわけ、Yの添加効果が大きかった。(3)C量増加、Nb添加、Fe添加はいずれも熱間加工性という観点からはほとんど利点は無かった。
M.T.Razzak*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Journal of Applied Polymer Science, 43, p.883 - 890, 1991/00
被引用回数:6 パーセンタイル:37.9(Polymer Science)放射線加硫した後の天然ゴムラテックス(RVNRL)にメチルメタクリレート(MMA)を放射線グラフト重合した天然ゴム(RVNRL-g-PMMA)の熱可塑性エラストマー(TPE)としての加工性を評価した。乾燥したRVNRL-g-PMMAを素練りし、80Cのユーダーで混練すると熱可塑的になるが、この場合は、20rpmと比較的遅い回転速度で混練時間1時間を要した。混練時間は、未加硫天然ゴムラテックスにMMAをグラフト重合したもの(NRL-g-PMMA)を15%程RVNRL-g-PMMAに添加すると物性値を低下させることなく20分に短縮でき、ブレンドにより加工性が改善できた。得られたTPEは強度については市販のオレフィン系およびスチレン系TPEとほぼ同じで、伸びおよび硬度はMMA含有量によりそれらより広い範囲で変えることができた。したがって、放射線グラフト重合により新しいTPEが調製できた。
若井 栄一; 能登 裕之*; 牧村 俊助*; 石田 卓*; 古谷 一幸*; 柴山 環樹*
no journal, ,
近年、高エントロピー合金は、その原子混合比や組成から、従来材料よりも高強度で延性に優れることから、世界中の研究機関で精力的に研究開発が進められている。本研究では、チタン基高エントロピー合金(HEA)であるTiVCrZrTa、TiVZrTaAl、TiVCrZrWをコールドクルーシブル浮上溶解法により溶解し、1200Cで5時間、均質化熱処理を施した。これらのHEAの機械的特性試験と特性を調査した。TiVCrZrTa系のHEAは、他のチタン基のHEAに比べて、比較的に良好な熱間圧延性と熱間鍛造性を有することが分かった。また、これらのチタン基HEAのビッカース硬さは、通常のチタン合金よりもかなり高い値を持つことが分かった。